ふるさと納税10月の改正まとめ|控除は変わらず、経費上限は4割へ

この記事のポイント:ふるさと納税の控除のしくみは、2026年10月以降も自己負担2,000円のまま変わりません。変わるのは自治体の募集費用の上限で、返礼品や送料、手数料を合わせて寄付総額の47.5%以内となり、2029年10月には40%まで下がります。地場産品の基準も厳しくなるため、狙っている返礼品がある人は9月30日までの申し込みが安心です。
総務省の公表資料をもとに整理

ふるさと納税、10月から何が変わる?

5割→4割募集費用の上限・2029年まで段階的に
自治体が寄付集めに使えるお金の上限が、2026年10月1日から毎年少しずつ下がります。返礼品の「地場産品」の基準も、同じタイミングで厳しくなります。
2026年10月1日スタート控除のしくみは変わらない返礼品は一部で見直し

「9月30日までに寄付しないと損」という投稿を、ここ数日よく見かけます。先に答えを書くと、寄付する側の控除のしくみは何も変わりません。変わるのは、自治体が寄付集めに使えるお金の上限と、返礼品として認められる基準のほうです。

総務省が公表している法律の条文と通知を読んで、寄付する側に関係するところだけを整理しました。

「返礼品に使える経費が50%から47.5%に」は、少し不正確です。上限がかかるのは返礼品だけではありません。送料、ポータルサイトの手数料、決済手数料、事務費まで含めた「募集費用」の合計です。返礼品そのものの調達費は、これまでどおり1品ごとに寄付額の3割以下。ここは変わっていません。

結論:寄付する側のルールはほぼそのまま

1控除のしくみはそのまま
自己負担2,000円、控除上限の考え方、ワンストップ特例は変わりません。楽天ふるさと納税の案内にも「寄付金控除の仕組み自体に変更はありません」とあります。
2下がるのは自治体の経費の上限
2026年10月から、1年間の募集費用は寄付総額の47.5%以内に。その後も毎年10月に2.5ポイントずつ下がり、2029年10月からは40%です。
3返礼品は「一部」が見直し
地場産品の基準も厳しくなります。ただ、各ポータルの案内は「一部の返礼品で掲載終了や寄付額・内容の変更がありうる」という書き方で、全部が一斉に変わるわけではありません。

変更点① 募集費用の上限が毎年10月に下がる

もとになっているのは、2026年3月31日に公布された「地方税法等の一部を改正する法律」(令和8年法律第2号)です。

自治体が1年間(10月1日〜翌年9月30日の「指定対象期間」)に受け取った寄付から募集費用を差し引いた残りを「寄附金活用可能額」と呼びます。この額が寄付総額の一定の割合を下回らないことが、ふるさと納税の対象に指定される条件に加わりました。本来の割合は60%で、最初の3年間だけは経過措置として段階的に引き上げます。

指定対象期間残すべき割合募集費用の上限
〜2026/9/30—50%(旧告示)
2026/10/1〜2027/9/3052.5%以上47.5%
2027/10/1〜2028/9/3055%以上45%
2028/10/1〜2029/9/3057.5%以上42.5%
2029/10/1〜60%以上40%

※ 法律に書かれているのは真ん中の「残すべき割合」です。右の列は100%から差し引いて出しました。出典:総務省「ふるさと納税制度の適正な運用について」(2026年4月1日 総税市第34号)に添付の法律条文。

「募集費用」に入るもの

返礼品の調達費(1品ごとに寄付額の3割以下というルールは従来どおり)、送料、広告費、クレジットカードなどの決済手数料、そして事務費。事務費には、ポータルサイトへの委託料や手数料、ワンストップ特例の申請書の処理なども入ります。今回の上限は、これを全部足した額にかかります。

全国平均は、すでに新しい上限を超えている

総務省が2026年7月31日に公表した現況調査によると、2025年度の受入額は全国で約1兆3,314億円。そのうち募集にかかった費用は6,382億円で、割合にすると47.9%でした。平均の時点で、10月からの47.5%を0.4ポイント上回っています。

40%47.5% 26.5%自治体が使える分 52.1%
返礼品 26.5%送料 5.7%広報 0.7%決済 1.5%事務費など 13.6%自治体が使える分 52.1%

※ 総務省「ふるさと納税に関する現況調査結果(令和8年度実施)」より作成。実線が2026年10月からの47.5%、点線が2029年10月からの40%。

同じ調査では、ポータルサイト経由の寄付が全体の97.2%。ポータル運営事業者への支払いは、ポータル経由の寄付額の18.8%(返礼品の調達費と送料の立替分を除くと11.5%)にのぼります。総務省は4月1日の通知で、自治体に「ポータルサイト事業者など外部の事業者に支払う手数料等を見直す」よう求めました。

筆者の見立て:最初に削られるのは、手数料や事務費でしょう。ただ、もともと上限を大きく超えている自治体は、それだけでは足りません。そうなると動かせるのは寄付額と内容量くらいです。各ポータルが「10月以降は寄付額や内容が変わる可能性がある」と案内しているのも、この事情によるものだと思います。

変更点② 地場産品の基準がはっきりする

こちらは2025年6月24日に総務省が告示を改正したもので、2026年10月からの指定に適用されます。柱は3つです。

自治体名を入れただけの品は通りにくく
いわゆる「広報目的基準」です。これまでは区域外で作られた品でも、市町村名やロゴが入っていれば返礼品にできる余地がありました。今後は、直近1年間に自治体自身がPRのために調達・配布・販売した実績があり、返礼品の数がその実績を超えないこと(またはPRに使う計画を定めていること)が必要です。
「付加価値の過半」は価格で計算
「付加価値基準」の計算方法が自治体ごとにばらばらで、企画だけ地元・製造はすべて海外、という品を地場産品とする例もありました。今後は価格に基づく計算が原則。製造者が「価値の過半が区域内で生じた」ことを証明し、自治体は提供を始めるまでにその内容を一覧で公表します。
市価より高い調達はできない
一般の小売価格よりかなり高く調達している例が見つかったため、証明書に一般販売価格も書いて公表することになりました。合理的な理由なく一般販売価格より高く調達しないよう求める通知も、別に出ています。

あわせて、1つの支払先に100万円以上払った募集費用は、支払先・金額・目的を公表することになりました(2025年度分は2026年9月30日までに公表)。

影響を受けそうなジャンル

ふるさとチョイスは「制度改正に伴い掲載終了などが予測されるカテゴリ」として、次の18ジャンルを挙げています。

美容・健康家電、化粧水・乳液、その他美容、健康食品、空調・季節家電、パソコン・周辺機器、時計、家具、寝具、ファッション、釣り具、ウイスキー、ワイン、おせち、牛タン、羊肉、鮭・サーモン、チョコレート

3つの柱から考えると、原料を区域外や海外から仕入れて地元では加工・包装だけしている品や、自治体名を入れただけの品が見直されやすいはずです(筆者の見立て)。ふるなびも、新基準への切り替えのため9月末を待たずに受付を終えた返礼品があると案内しています。

寄付する側から見て、変わること・変わらないこと

控除(自己負担2,000円・上限の考え方)
変わらない10月以降の寄付も、これまでどおり控除の対象です。
ワンストップ特例
変わらない会社員などは、寄付先が5自治体以内なら確定申告なしで控除を受けられる、というルールもそのままです。
すでにした寄付
影響なし楽天ふるさと納税は「過去の寄付には、一切影響ありません」と案内しています。改正の対象は2026年10月1日以降の寄付です。
ポータルサイトのポイント
2025年10月から禁止寄付に伴うポイント付与は2025年10月1日から全面禁止。今回の改正とは別の話です。
クレジットカードなどのポイント
これまでどおり総務省の通知で、禁止の対象から「通常の商取引に係る決済に伴って提供されるもの」は外れています。
返礼品
一部で見直し掲載終了、寄付額の引き上げ、内容量の変更がありえます。どう変わるかは自治体しだいです。
高所得の人の控除上限
2027年の寄付から住民税の特例分に上限ができます。所得割額の2割と、道府県民税77.2万円+市町村民税115.8万円(合計193万円)のうち低いほう。対象はかなりの高所得者に限られます。

9月30日までに寄付したほうがいい人、急がなくていい人

  • 急いだほうがいい人:お気に入りやカートに、狙っている返礼品が入っている人。いまの寄付額・内容で申し込めるのは9月30日までで、すでに受付を終えた品もあります。
  • 急がなくていい人:「今年はまだ寄付していない」というだけの人。控除のしくみは変わらないので、年末までに上限の範囲で寄付すれば十分です。

今日のうちに寄付するなら、この順番で進めると迷いません。

  1. 控除上限を先に確認する――上限を超えた分は、ただの寄付になります。考え方は ふるさと納税完全ガイド にまとめています。
  2. お気に入りとカートを見直す――10月以降に掲載終了や寄付額の変更がありうる、と各ポータルが案内しています。
  3. 支払いまでその場で終わらせる――クレジットカードやPayPayなど、すぐ決済が終わる方法で。ふるさとチョイスもふるなびも、9月30日の混雑を予告しています。
  4. 狙いの品が終わっていたら――同じ地域の似た返礼品を探せば十分です。駆け込みで上限を超えないようにだけ気をつけてください。

ポイントがなくなった今、差がつくのは支払い方法

ポータルのポイントがなくなってから、サイトごとに差が出るのは支払い方法くらいです。いまいちばんわかりやすいのが、Yahoo!ふるさと納税をYahoo!ショッピング商品券で払う方法。2026年7月1日のYahoo!ふるさと納税ガイドライン改定で、支払い方法に商品券が加わりました。

9月30日 23:59まで
Yahoo!ショッピング商品券 増量キャンペーン
+6%

2万円分を買うと、受け取り時に21,200円分になります。Yahoo!ふるさと納税の支払いに使えば、2万円で21,200円分の寄付ができる計算です(控除上限の範囲で使う前提)。

期間
2026年9月1日0:00〜9月30日23:59(予定枚数に達し次第終了)
対象の商品券
10,000円分・15,000円分・20,000円分(デジタルギフト)の3種類。ほかの金額は増量されません
支払い方法
PayPay残高等、またはPayPayカード(ゴールド含む)。ほかの方法や併用だと、商品券は買えても増量分は付きません
期限
受け取りは購入から30日、利用は受け取りから30日(増量分も同じ)
使える
Yahoo!ふるさと納税
使えない
Yahoo!ショッピング内の「ふるなび」「ふるさとチョイス」「さとふる」のストア(公式の利用対象外ストア)

※ このボックスのボタンはアフィリエイトリンク(PR)です。条件はYahoo!ショッピングの公式ページで確認してください。

気をつけたいのは2点です。まず、商品券は買ったあと注文履歴の詳細から「受け取り」をしないと使えません。増量分もこのときに付きます。放っておくと30日で元本ごと失効します。

もうひとつ、2026年7月から、商品券で払った分はYahoo!ショッピングの各種キャンペーンでポイント付与の対象外になりました。もともとポイントの付かないふるさと納税は、使い道としてちょうどいいわけです。買い方の細かい手順は Yahoo!ショッピング商品券の増量ガイド にまとめました。

PayPayをまだ使っていない方は、下の招待コードから登録すると特典がもらえます。支払い条件のPayPay残高も、そのまま用意できます。

ほかのサイトを選ぶなら

見るところは3つです。欲しい返礼品が載っているか、ふだん使う支払い方法が使えるか、その支払い方法に独自の還元キャンペーンがあるか。クレジットカードの通常ポイントはこれまでどおり付くので、還元率がいちばん高いカードで払うのが手堅い方法です。

よくある質問

Q. 10月1日以降に寄付すると、控除は減りますか?
減りません。自己負担2,000円、控除上限の考え方、ワンストップ特例はそのままです。12月31日までに上限の範囲で寄付すれば、これまでどおり控除されます。
Q. 「返礼品に使える経費が50%から47.5%に下がる」は本当ですか?
半分だけ正しい言い方です。上限がかかるのは、返礼品・送料・ポータルの手数料・決済手数料・事務費を合わせた募集費用の合計です。2026年10月から47.5%、その後は毎年10月に2.5ポイントずつ下がり、2029年10月からは40%になります。返礼品そのものの「寄付額の3割以下」は変わっていません。
Q. すべての返礼品が値上げや減量になりますか?
なりません。各ポータルの案内は「一部の返礼品で掲載終了や寄付額・内容の変更がありうる」というものです。区域外や海外の原料を使い、地元では加工だけしている品や、家電・美容・お酒などのジャンルは影響を受けやすいとされています。
Q. すでに寄付して、まだ届いていない返礼品はどうなりますか?
影響はありません。楽天ふるさと納税は「過去の寄付には、一切影響ありません」と案内しており、改正の対象は2026年10月1日以降の寄付です。
Q. ポータルサイトのポイントはもらえますか?
もらえません。寄付に伴うポータルサイトのポイント付与は、2025年10月1日から禁止されています。クレジットカードなど、支払い方法そのものに付くポイントは禁止の対象外なので、これまでどおりもらえます。
Q. Yahoo!ショッピング商品券は、どのふるさと納税ストアでも使えますか?
使えません。使えるのはYahoo!ふるさと納税です。Yahoo!ショッピング内の「ふるなび」「ふるさとチョイス」「さとふる」のストアは、公式の利用対象外ストアに入っています。
Q. 2029年より先も上限は下がりますか?
いまの法律では、2029年10月1日以降は本来の割合である60%が適用され、募集費用の上限は40%です。その先は、今後の税制改正しだいです。

出典

※ 公表資料をもとにした個人のまとめです。「筆者の見立て」とした部分は個人の見解で、税務上の助言ではありません。返礼品ごとの変更は、各ポータル・自治体のページで確認してください。

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